-
みなさんこんにちは。
キナリデザインの多田です。
普段の設計作業において、いったいどんなところに気を付けながら打ち合わせを進めてkinarino施工事例が仕上がっているのか、皆様のこれからのエクステリアプランのご参考になればと、ご紹介していきますね。
今年2回目のの第14回は、〚千葉市。 ミニマルポーチはハンサムVネック。 初冬を飾る端正ブラックの抜け感。〛の つくりかた。をお送りします。
北向きのエントランス、リビングは2階に配置した機能的でモダンな邸宅です。エクステリアについては、玄関ポーチとガレージスペースのデザインをご提案しました。たっぷりとスペースを確保している玄関ポーチ廻りをどのようにプランニングするかが、今回の外構デザインのポイント。
-
こちらが初回ご提案の外構イメージパースです。今回の建物は玄関ポーチを外構区分としたちょっと珍しいケースです。通常、ハウスメーカーさんは玄関ドア、その外側の玄関ポーチ、プラスして外部階段1段までを施工することが多いです。理由は、内玄関と外玄関の統一感、とか、あるいは外構工事完了までの間に玄関枠に不具合がでないように足元をしっかり固めたい、とか、玄関ポーチがないと、高低差が40㎝くらい出てしまうので、お引き渡し時の安全面に不安がある、、、、などなど、ハウスメーカーさんのご都合が色々ありそうです。
ですが、今回はポーチ部分に自転車を停めたい、とか、車を道路と直交して停められるようにしたいとか、色んな可能性を検討されるなかで、プラン保留のまま外構工事の打ち合わせが始まった、というようなケースです。
-
建物工事完成、お引き渡し時はこのような状態となっています。基礎のベースコンクリートは打設されていますが、その他はフリーです。自転車や車を入れるために道路とフラットにすることもできますし、スペースをいっぱいに使ってゆったりなアプローチ階段をプランニングすることもできます。となると、このような状態から外構計画を練ることができるほうが、お客様にとって、とてもよいエクステリアプランを実現できそうだな、と感じます。
建物外壁や、玄関ドアなどはすでに仕上がっていますので、外構工事施工中には十分な養生が必要になってきます。現場でしっかりと施工状況をチェックする必要がありますね。
-
インナースペースをフルに利用してゆったりなステージ状の階段を計画した外構工事プラン。
ガレージから直接玄関ドアに面していますので、シンボルツリーの配置でアイキャッチを作ってみましょう。センターに機能ポールを配置して、回遊するエントランスをイメージしてみました。控えめに、存在感が光るポイントは、シンボルツリー後ろの手摺です。転落防止の効果ももちろんありますが、今回は境界を仕切るためのアイコンとしています。道路から直接玄関へアプローチさせない、奥行き感あるエントランスを感じてもらうための、外構計画の大事な要素になっています。センターに寄り添う機能ポールとシンボルツリーが、エクステリアを華やいだ印象に。
-
こちらは外構計画の第2案です。自転車をポーチ内部に駐輪したいとのご要望に沿って変更したエクステリアプラン。機能的な外構配置となりましたが、スペースの関係で機能ポールとシンボルツリーが玄関ドア脇に移動してしまいました。階段も正面からアプローチするシンプルなイメージになってきますね。自転車をポーチ内に駐輪することを優先すると、ポーチ廻りのゆとりがなくなってくるのがちょっと悩みどころです。
-
では、では、と更に外構プランを修正してみます。玄関ドアが丸見えだったことを少しでも解消するためにシンボルツリーを駐輪スペース側に移動してみました。
間口センターに動きのあるオリーブなどが配置されれば奥行き感は出せるようになりますね。
あとは、やはり、正面からまっすぐ玄関へと上がっていく外構計画がどうなのか、という悩みが続きます。また、間口方向にポーチと駐輪スペースが横並びとなるので、ひろびろした間口が分断されて、今回の玄関廻りのイメージがスポイルされてしまうような気がします。
そんなこんなな外構計画のメリット・デメリットをお客様と一緒にお話をしながら、プランを確定していきます。悩みますが、とても楽しい時間だと思っています。
-
建物完成、お引き渡し時の現場状況です。
道路とフラットで、奥へと引き込んでいく外構イメージが想像できますでしょうか。
玄関ポーチとの高低差を生かしてシンボルツリーを回り込む、少しだけ隠れ家的な雰囲気も添えられれば大成功、な外構工事をスタートしていきましょう。
-
まず始めに、なにはともあれ、玄関ポーチの階段下地から外構工事施工開始です。スタンダードブロックを使って階段立ち上がりを施工していきます。
ポイントは、タイルの割付を考慮した下地寸法の確保です。タイルって、下地に合わせて右から左へ貼っていけばよい、というものではありません。玄関正面ですから、中途半端な切物が入ってしまうと美しくみえません。可能な限り、マモノ(既成タイルを切断することなく、そのまま使って)で仕上げたいのです。今回のタイルはアイコットリョーワのクラレット、300×600㎜の長方形タイルです。ですので、奥行方向は300㎜の倍数、間口方向は600㎜の倍数で収めていきましょう。
-
では次に、機能ポールと手摺です。金物の施工にとりかかります。
機能ポールはリクシルの機能門柱FTブラックです。スッキリシンプルなデザインで非常に人気がでてきた商品です。手摺は同じく、リクシルのアーキレール。ブラック単色で、白い壁の建物正面にすっきりなラインを表現していきます。このタイミングで、もう、回り込んで玄関へアプローチするプランが際立ってきますね。たのしそうな外構計画の完成形をイメージするとワクワクします。木彫の玄関ドアも一層際立ってきましたね。すべてのアイコンをバランスよくコーディネートするエクステリアデザインを心がけています。
-
ガレージ廻りの施工も進んでいます。下地の砕石を敷き込んで、溶接金網をセットしていきます。さてさて、どうしてコンクリートは内部にこのような鉄筋を入れるのでしょうか。下地砕石の上に直接流し込んではいけないのでしょうか。
コンクリートは圧縮、つまり押される力にはものすごく強いです。当社標準はコンクリート強度21Nです。1㎝×1㎝の面積で2.1tの重さに耐えられるという意味です。なので、車が乗っても全然大丈夫なのです。ですが、弱点があります。それは、、、引張にはめちゃくちゃ弱いということです。両方向から引っ張られるとすぐにぼろっと二つに分かれてしまいます。
で、引張にものすごく強いのは?鉄筋です。鉄筋を入れて、押されても、引っ張られても大丈夫な鉄筋コンクリートで床を作っていくわけです。
-
間口方向には化粧のスリットを入れていきます。外構イメージパースのように、土間コンクリートを正方形の大きな床板のように魅せる効果があります。
ここでのポイントは桝との干渉です。左側の木枠のところに設備の桝がきていますね。
これは、建物からの雨水・汚水を下水管へ流していく排水配管を点検するための蓋なんです。
道路の下水本管への接続位置などの関係で、なかなか設置位置が自由にならないことが多いです。ですので、間口を均等割りにしたい外構工事と干渉することに、、、。
桝をかわしてスリットを通すか、均等割りとして、スリットの中に桝が入るか、細かな部分なのですが、外構工事の仕上がりイメージをを左右する大事なポイントです。
-
もう一つのポイントはこちら。隣地境界ブロックとの取り合いです。
先に施工されているお隣のブロック塀がある場合、その面は内側に境界ブロックを施工しないことが多いです。壁が2重になってしまうますものね。自転車がぶつかりそう、とか、玄関すぐ脇で視線が気になる、とか何かしらの理由があれば内側にも境界塀を施工します。今回のように内側に塀を作らない場合、土間コンクリートとお隣のブロック塀がくっつくことになりますね。ベタッとコンクリートがくっついてしまうと、なにかとトラブルの原因になることがありますので、このようにブロック塀内側にも枠を組んで、砕石のスリットとしましょう。
こんなところも外構計画の大事なポイントです。
-
さあ、いよいよ玄関ポーチ廻りのタイル貼施工開始です。
今回は内玄関も外構工事でタイルを貼っていきます。玄関ドアを開けて、外部と内部のタイル目地を合わせるように割付を決めていきます。
横貼、縦貼?内玄関と合わせる?合わせない?などなど、仕上がりのイメージが変わってきますので、施工時にはしっかりチェックすることがおすすめです。
-
もう一つのポイントは縁どりをどうするかです。今回の階段のように斜めのラインを使う場合、床タイルを斜めにカットするのか、1列目は階段立ち上がりと同じ角度として、2列目に切物を入れるか、などなど、ここもとても細かいことなのですが、仕上がりに影響してくるポイントです。美は細部に宿るとは、なるほどよく言ったものだと、いつも感じています。
-
外構計画においての、いよいよ見せ場、植栽工事です。
今回はモダンな大人イメージでまとめましょうとのことで、色味の落ち着いた常緑樹、オリーブをシンボルツリーとしました。
ブラックのレール、機能ポールとの相性が抜群ですね。とても上品なイメージに仕上がりそうです。下草も色味の少ない、ダークグリーン系を多用しての組合せです。マホニア・ヒイラギ・ツルコウジなど、種類も絞ってシンプルにまとめています。
-
最後に、今回の建物全景です。なんとお隣は公園なんです。2階のリビングには大きな窓がはめ込まれています、リビングから公園のケヤキが眺められる、最高の環境です。エントランスファサードから2階のリビングへ、毎日の生活が楽しくて仕方ないような、そんなうらやましいようなエクステリアが完成しました。外構計画の大切さをいつも実感させてくれる瞬間なのです。
kinari no design method 〚千葉市。 ミニマルポーチはハンサムVネック。 初冬を飾る端正ブラックの抜け感。〛の つくりかた。
いかがでしたか?これからエクステリア、外構工事を計画される皆様の、少しでもお役に立てれば嬉しいのですが。
では、皆様にお会いできることを心待ちにしております。
++++++++++++++++++++
千葉、千葉市の新築外構・外構リフォーム・お庭ならおまかせください。
キナリデザインは外構・ガーデン・エクステリア専門のデザイン事務所です。
あなたのためにオンリーワンのガーデンデザインをご提案いたします。
施工実績では千葉県内を中心に行った新築外構・エクステリア・ガーデンの当社実例をご覧いただけます。創業より40年以上の歴史を誇る多田工業(株)と共に、責任を持って施工いたします。
++++++++++++++++++++