エクステリア基礎講座

すてきなエクステリアってあんまり見かけないのよね。

「外構ってなに?」「えくすてりあ?」「ブロック塀と車庫のことよね?」
「よくわからないし、調べる時間もないわ」「建築屋さんが一緒に作ってくれるんでしょ?」
みなさん ここからスタートされているのではないでしょうか。

「どちらに外構設計を依頼されたのですか?」「えっ?どこっていわれても……」
そして画一的で味気ないエクステリアが街に広がっていきます。

当社も40年以上前、外構工事店として創業してから長い間、このように「ブロック塀」をつくり続けてきました。ですからよく分かるんです。

単に敷地を塀で囲み、車庫にコンクリートを流し、門扉を取り付ける。
必要経費をのせて「はい出来上がり、100万円頂きます」の世界です。
これが、これまでの外構業界のありかたでした。外廻りに価値を見ない、家の付属品でしかなかったのですね。

「すてきなエクステリアにしたいのに……」「想いを分かってほしいのに……」
「なんとなく、営業さんの反応がいまいち?気のせいかしら……」って、それは正しい感想です。

あなたのマイホーム資金計画書に外構工事費はどの程度計上されているのでしょうか。
50万円でしょうか、100万円でしょうか。それはご希望の内容に沿ったものなのでしょうか。おそらく、とりあえず……の金額です。
土間コンクリートとブロック塀だけの予算では打合せ自体が成り立ちません。

そしてまた
「人件費を抑え」「クレームの出ないよう簡単な内容で」「早く仕上げて」「早く入金してもらい」「自社の売り上げに貢献する」を第一に考えている工事店のなんと多いことか。

これでは誰のためのエクステリアなのかわかりません。
“餅は餅屋” の通り、 “志を持ったプロ” に相談するのがよいのです。
住宅のプロ、料理のプロがいるように、エクステリアにもプロがいますから。
歯医者さんへ行って、「きのうからずっとおなかが痛くって~」なんて人いませんものね。

マイホーム計画は多くの方にとって1生に1度の大仕事です。
決めなきゃいけないことは山積み。普段のお仕事の合間に、となれば、それはもう大忙しですよね。

けれど ちょっと深呼吸。
あなたのご自宅の「すてきなエクステリア」は、あなたが暮らす「すてきな街並み」をつくってくれるんです。
落ち着いて、ゆっくりじっくり、考えていきませんか?

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エクステリアのプロって誰のことなの?

「ハウスメーカーに外構を依頼しないって、じゃあどこに頼むの?」
大きくは「ホームセンター」「ネットのエクステリア商品販売サイト」「エクステリア専門店」のいずれかでしょう。

どちらに依頼するかは “あなたが何を望んでいるか”で決めましょう。

「価格重視ですっ。やりたいことはこれですっ。」「お庭に、この寸法のウッドデッキが欲しいわ。」
「車庫に、この色のカーポートが欲しいんだけど。」はっきりとしたオーダーがあればこの場合、ホームセンターがおすすめです。
オリジナル商品を大量に生産、規格を絞っての施工に限定することで、最も安価にお客様に商品を提供するシステムが確立しています。

そんなところで「美しく仕上げたいな」「一緒にイメージを考えてほしいのだけれど」「どういうエクステリアが私たちの家にぴったりかしら」
という相談はちょっと難しそうですね。ネットのエクステリア商品販売サイトもまた同様です。

エクステリアのプロ、プロを目指して日々研鑽している人、にあなたの想いを受け止めてもらえるのが“エクステリア専門店”です。
“専門”“プロフェッショナル”って心強い響きですよね。

「パソコンが欲しい。社内でLANでつながって、クラウドさせて、セキュリティもしっかり。だけどオーバースペックはいやだな~。自分の会社の規模に合った、最適な仕様を、リーズナブルな価格で……」
なんのことかと言いますと、私が自社を立ち上げたときに悶々と悩んでいたことです。

「この悩み、どなたか聞いていただけぬか」大手家電量販店のおじちゃんに話しても明らかにNG。
次はPC専門の量販店に行きました。きちんとした提案はしてくれましたが、規格やら、おすすめシステムやらで少々オーバースペックぎみです。こまったな~。
結局、個人でシステムに詳しい人を運よく見つけ、何度も話を聞いて頂き、何度も作業に来て頂き、なんとか仕事の出来る状況が整いました。
その時の気持ち「肩の荷が下りた。ほっとした~。よかった~。」です。単純ですね。

皆さんにもこんな経験、きっとありますよね。“気持ちがほぐれるタイミング” ってやつです。

それは、「自分の気持ちを分かってくれている」「共感してくれている」と感じた時なんですよね。

ちょっと話がそれました。エクステリア工事はもっともっと大変で、時間のかかる、金額も大きい相談になります。
自分にぴったりの専門工事店がみつかればどんなに心強いことでしょう。そんなお店を探していきましょう。

専門工事店ってどうやって選べばいいの?

決め手はズバリ、“あなたの担当となるプランナーさんのレベル”です。
どの会社に依頼しようか、日々ホームページを見比べて迷っている、そんな方も多いのではないでしょうか。

規模も大きく、打合せ~工事~アフターフォローまできっちりと仕様規定している会社。
逆に、小規模でもこだわりのオンリーワン作品をこつこつと作っている会社などなど。

エクステリアって、いうなれば“フルオーダー商品”です。そして、高額でありながら、基本的には1人のプランナーさんが全てを進めてゆきます。
あなたが問い合わせ、そして、目の前に現れた “その人” が、あなたの想いを理解し、最適なカタチに仕上げてくれる人か、が決め手です。
ちょっと話をすれば、相性とか、ひととなりとか、わかるはずです。あとは実績ですね。

繰り返しますが、 “会社” の実績ではなく “担当者” の実績が大事なんです。
その方と全てを決めていくことになるのですから。

エクステリア工事がフルオーダー商品である理由の1つが、 “あなたの土地は、そこにしか存在しない。たったひとつ、唯一の土地” ということです。
「郊外に開かれた、高低差のない、広い道路に面した地区」「昔からの街並みを残す、伝統を感じさせる地区」「住宅が密集して、お隣と塀を共有しているような狭小地区」
計画地を取り巻く周囲の環境や状況は、その全てがエクステリア計画に必須の条件です。

「高低差は?」「給排水などの配管状況は?」「日当たりは?」「水はけは?」「すでに施工されている塀基礎の根入れは?」
目に見えているもの、地面にかくれて見えないもの、それら全てを図面に反映させていく。
さらに、このような多々ある要素を踏まえた上で、最も大切なものがあります。
“あなたの想いや希望” をカタチとして図面に盛り込んでいくことですよね。
これはエクステリアと他の既製品との大きな違いです。担当者の力量が大きく仕上がりを左右する理由がここにあるんです。

と、「そういわれても困るわ。もっと分かりやすく言ってくれなくちゃ」ですよね。

“現場現物での打合せを何より優先するプランナーさん”“現場100回?くどいほどに何度も現場で打合せしたがるプランナーさん”“言葉ではなく、スケッチ・図面・写真など目に見えるものであなたの気持ちを確かめるプランナーさん”こんな人が担当者だったらまず、大丈夫です。

迷う前にまずはメールや電話で問い合わせましょう。とにかく一度、会ってみることです。

“案ずるより産むがやすし”思ったよりすんなり、あなたのエクステリア計画は前へと進み出すはずです。

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あなたと一緒に創り上げること

家具、家電品、自動車、世の中には色々な商品があります。
エクステリアってそれらと一緒でしょうか。違うのでしょうか。

“完成品として購入することができない”建売住宅は別として、今はまだカタチのない、何もないものを購入するのです。
これは勇気のいることですね。
「契約時金を・・・」なんて言われたら私だって腰が引けちゃいます。もちろん図面はあります。見積書だって当然あります。
でも、ここには落とし穴もあるんです。

最近はCADの性能が格段にアップして“誰でも簡単に綺麗な図面を描く”ことができるようになっているんです。

特に、高額な門扉やフェンス、石などの材料をふんだんに盛り込んでいくと、見栄えのする、迫力満点の図面になります。
「見た目に惑わされないためにはどうすれば?」「そうだっ!“平面図の中を実際に歩いて” みればいいんじゃないかっ!」
もちろん想像で、です。

「車から降りましたか?」「車のドアは全開にしましたか?」「ポストには何が入っていますか?取りやすいですか?」「ベビーカーをおろしたら玄関まで押してみましょう。」「洗濯物は視線を気にせず干せますか?」「そうそう、ご主人、たばこはどこで喫いましょうか。」
ひとつひとつ “生活の場としての視点から図面をチェックする” ことが大切です。

“オンリーワンです”全ての土地の条件は異なります。つまり、どんな小さな工事でも、毎回工事内容が異なるのです。
オーダーメイドのスーツを仕立てることに似ているかもしれませんね。大量生産で、安く早く、ということがむずかしいのです。

“安かろう悪かろう” は大量生産の家電製品などではとっくの昔になくなった言葉ですがエクステリア業界ではいまだ健在です。
手作りである以上、品質を上げるには手間を惜しんではいられません。正直に手間と時間をかけているならば、 “早く安く” とはいかないのです。
“この見積って高いの?安いの?”最近はオープン価格も多くなってきました。とはいえ定価のない商品は珍しいし、とっつきにくいですよね。
“エクステリア工事はフルオーダー” です。その土地、その計画によって手間が違うわけですから、その都度、見積金額が違う、ということが起きるわけです。ましてや “坪いくら” なんてとても言えません。

ただ、見積構成はどんな業界でも同じ。“製造にかかった工事原価に会社の利益をのせたもの” ですね。
会社によって材料の仕入れ値が異なります。多く仕入れる商品は安くなりますよね。職人さんの日当も違います。腕のよい職人さんは高給取りです。いろんな外構屋さんから「ひっぱりだこ」なんです。会社の必要利益も違います。人数や設備を多く抱える会社は多くの経費がかかりますよね。同じ工事内容でも会社によって金額が異なる “外構工事に定価がない理由” です。

「そんな分かりにくい見積もりをどう判断すればよいの?」

そうですよね。あなたが支払う金額が予算的に無理のないものであり、十分納得のいく、満足できる打合せ・プランニング・仕上がりが期待できるかどうか。ここをじっくり考えてみて下さい。不思議と大きな失敗は避けられるはずです。

エクステリアのベストなプランは変化していくものです。

新築時のエクステリア工事では、総予算のなかで外構にいくら使えるのか、そこから工事内容が決まってしまうことが多々あります。
とりあえず……とハウスメーカーが決めた金額に根拠がないと、理想と現実のギャップにがっかりされる方もいらっしゃいます。

「希望は膨らめど、予算がない。こんなことならもう少し、他の仕様を我慢すればよかったかも……でももう家は出来ちゃってるし。どうにもなら~ん」
といった具合です。とにかく早い段階で、エクステリアの具体的なプランをイメージしておくことが大切です。

とはいえ実際は“最低限のプラン”と“理想のプラン”の狭間で現実のプランを練っていくケースがほとんどです。
そこで注意してほしいこと “予算ありきのプランを作らない!” ことです。
想いは多く、予算少なし。されど、「あれも欲しい、これも欲しい、ぜーんぶ欲しい。」これをやっちゃうと全ての仕様が下がります……典型的な失敗パターンです。

毎日目にするご自宅のエクステリアが気に入らないとなると目も当てられません。
「もー、失敗した。なんとかやり直せないかな~」なんて気持になってしまいます。
けれど、一度作ったものを壊して作り直すのは、それはそれは大変です。それこそ、最初からつくらないほうがマシってもんです。
“まずはベストなプランを作っちゃう。どこまで工事するかは後で決める”ご希望ぜんぶ入りのプランを作ってもらいましょう。

その図面を見ながら、今回の予算でどこまで工事可能かを検討、工事範囲を決めましょう。
「門廻りのデザインを優先して、2台目の車庫の仕上げは次回でもいいね」とか「今回、門扉は付けないけれど、設置を想定して門袖を計画しておきましょう」とか「アプローチの植栽計画は譲れないな。今回、床は砂利敷きまで。ベビーカーを使うようになってから舗装をしましょうよ」など。“計画にメリハリをつける”ことです。

一度作ったらそれでおしまい、だから、あれもこれも。となると結局は満足いくものにはなりません。

もう一言、最近、エクステリアリフォームの問い合わせが増えてきました。
「子供が車を購入するので車庫を広げたいな。」「車いすのためのスロープが欲しいわ。」「自転車を入れやすく、門廻りを作り変えたいんだけど。」
ね? “一度作ったらそれで終わり” ではないんです。

生活スタイルが変化していくのですから、エクステリアも当然、手を加えていくようになるんです。
“肩の力を抜いて、長い目で、今必要なものを、満足できる範囲で、工事する” ことが大切です。

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プロはここを見ています。

エクステリアの工事、一体いくらかかるんでしょう。建物は“坪いくら”って目安がありますよね。
そういう「とっかかり」がなくて困ってしまうエクステリアの世界。あなたの土地の状況で工事費用は大きく変わってきます。

  • 隣地境界は施工済み?

    右隣り、左隣り、すでに家が建っていて塀もある、ならば多くの場合、隣地境界にかかる費用は不要です。その分、門廻りなどのご希望の計画に力を入れることが出来ちゃいます。
  • 高低差はありますか?

    土地は道路と平坦?それとも高台のように上がっていますか?
    高台の場合、車庫やアプローチを計画するために土地の一部を削り取って土留工事をする必要がでてきますよね。
    土留工事。そのときにセットメニューのように登場するのが残土処分費です。
    これがクセモノ。
    ダンプでせっせと処分場へ運び込み、お金を払って土を引き取ってもらうのです。お庭に山をつくるわけにはいきませんものね。
  • その高低差「2m」を超えていませんか?

    土地が道路から2.1mの高台になっているとします。
    この場合の土留は、擁壁の工作物申請が必要となります。
    建物に建築確認申請があるように、外構にも申請が必要となる場合があるのです。
    行政が安全性の判断の根拠を求めてきます。こうなると、申請書・図面・構造計算書・地耐力データなどを準備して公共工事並みの仕様になってきます。工事費もご想像の通り……
    キーワードは「2m」です。覚えて下さいね。
  • 建物と土留(擁壁)が寄り添っていませんか?

    土地の広さが十分あればよいのですが、あれもこれもと希望の膨らむマイホーム。車庫の土留と建物がきゅうきゅうに接近してしまうことがあります。
    ここでのキーワードは「30度」です。
    これは、建物の荷重(重さ)が土の中を伝わっていく角度です。
    車庫の土留にこの建物荷重がかかっちゃうとその分、土留の強度をアップさせないといけませんね。
    それとも深基礎対応(建物の基礎を通常よりも深く潜らせる)か。
    工事費検討の上ではとっても大事なポイントです。

せまい日本。平坦で3方向が塀で囲まれている土地ばかりではありません。
「こんどのお打合せ、ちょっと知ってるのよっ」て感じでお話しされてはいかが?プランナーさんをビックリ、させちゃいましょう。

植物のおはなし

最後はのんびり植物のお話です。ごゆるり~とどうぞ。

  • ソメイヨシノってクローン?

    ご存知、お花見といえばソメイヨシノですね。
    江戸時代のころ、江戸のはずれ、染井村の吉野さんの庭で突然変異したサクラです。
    とってもきれいなこのサクラ、人の手によって接ぎ木され、全国各地へ広まりました。種から芽が出て、というものではなく、全て人が増やしてきたものです。
    な・の・で、全てのソメイヨシノの親は染井村のたった1本のサクラなんです。性格はみんな一緒。同じ条件下で開花します。
    サクラ前線は農事の大切な目安になっています。
  • ガーデニングってINGなんです

    「GARDEN」に「進行形のING」をくっつけて「GARDENING」です。成長していくものなんです。
    植物はその昔、「コケ」でした。
    コケは、もっと光を欲しがって「茎」をのばしました。
    茎だけでは立っていられないので「根」をのばします。「シダ」の誕生です。
    だからでしょうか。植物は、その「根」で記憶します。
    鉢植えを地植えにする場合、根をほぐして今日からここが君の新しい場所だよ、と教えてあげて下さい。
    根付きが全然違ってきますよ。
植物に必要なものって

お庭に植えたシンボルツリー、なんだか元気がないみたい。園芸店に出かけて肥料とか培養土とか買い込みたいところです。
が、その前にチェックしてほしいことが3つあるんです。すごーく当たり前のことなんですが、意外と見落としているかも……。

  • 日光の状態はどうですか?
    植物は光合成によって生きています。
    水と日光と二酸化炭素で有機物を合成するのが仕事です。
    日の当たらない場所、西日しか射さない場所などは要注意です。
  • 温度はどうですか?
    熱帯・亜熱帯・温帯・寒帯と、植物には成長に適した気候があります。暑さに強いヤシ、寒さに強いヒマラヤなど。
    そこは朝日が差し込んで暖かいですか?西日が強くて暑いですか?北風が吹き抜けて寒いですか?
    要チェックです。
  • 水は必要十分ですか?
    光合成に必要な水。これも重要ですね。水枯れしていませんか?あげ過ぎにも注意が必要です。
    土質によって散水量を調節しましょう。砂っぽい土地ならサラサラ、いっぱい水をまいても大丈夫。
    粘土っぽい土地ならジメジメ、なかなか水が抜けません。根腐れしないように気を付けましょう。

樹木って、「今」ではなく「これから」の風景をつくるものです。
家族の成長と共に、美しい街並みへと育てていきましょう。

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最後に

ここまで色々書いてきました。
これからエクステリアを作り上げていこうとしているあなたへ。

あなたが問い合わせをして、来てくれた担当者の方に対して「この人とならずっと付き合っていけるかな」と感じたなら、あなたの想いをぜーんぶ依頼しちゃって大丈夫です。

きっと、 “すてきエクステリアになること間違いなし” ですよ。

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